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カテゴリ:■京都( 26 )

旧不動貯金銀行京都三条支店・現SACRAビル

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◆旧不動貯金銀行京都三条支店
  ◎設計:日本建築株式会社
  ◎施工:不詳
  ◎竣工:大正4(1915)年12月
  ◎構造:煉瓦造り3階建て
  ◎所在地:京都市中京区三条通富小路西入ル中之町20
   ❖国登録有形文化財


現在SACRAビルとして使われているこの建物は、大正4年の暮れに東京芝に本店を置く不動貯金銀行の京都支店として建てられたものです。
不動貯金銀行は明治33年に創立された貯蓄銀行の一つで、戦後の協和銀行(現在のりそな銀行)の母体となった会社であります。また戦前の貯蓄銀行では最大の規模を誇っていた会社で、銀行のメインキャラクターを大黒様をするなど庶民受けする広告戦略をおこなったり、外交員による積極的な営業活動などにより、昭和10年代には当時五大銀行と呼ばれていた三井・住友・安田・第一・三菱の各銀行と肩を並べるまでの預金額を誇る会社へと成長していきます。その中で会社発展の切り札となったのが、当時の銀行では珍しかったモダンな外観の店舗を作るということでした。また大正3年に建築家・関根要太郎(1889~1959)が〔日本建築株式会社:不動貯金銀行の営繕組織〕へ加入したことにより、更にそのモダン路線に拍車がかかって行くのですが、その前兆と言えるのがこの三条支店です。
明治より昭和戦前までの銀行と言えば、西欧の古典建築によく見られる石造りの外壁に列柱を巡らせたものが好まれていましたが、この三条支店は白のタイルに、細部装飾には大正初期から日本でも流行していた〔セセッション〕と呼ばれる幾何学的なデザインが用いられるなど、当時の銀行建築にはあまり無かった明るい仕上がりは、この周辺でもとても目立つ存在です。
なお不動貯金銀行の旧店舗は全国に4棟しか残っていませんが、京都七条烏丸にはその中の数少ない旧店舗七条支店(関根要太郎設計、昭和5年竣工)も現存していますので、興味のある方は是非こちらにもお訪ねください。

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by tokyo-farwest-net | 2010-01-18 21:18 | ■京都 | Trackback(1) | Comments(0)

旧日本銀行京都支店(京都文化博物館別館)

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◆旧日本銀行京都支店
  ◎設計:辰野金吾、長野宇平治
  ◎施工:直営
  ◎竣工:明治39(1907)年
  ◎構造:煉瓦造り2階建て
  ◎所在地:京都市中京区三条通高倉西入ル菱屋町48
   ❖国指定重要文化財

京都文化博物館といえば、中京郵便局(明治35年築)とともに京都三条通りを代表する明治竣工の煉瓦建築の一つで、日本銀行の京都支店として明治39年に建てられたものです。
設計は日本銀行店舗の設計を数多く手掛けていた明治建築界の御大・辰野金吾と、その弟子にあたる長野宇平治によるもので赤煉瓦の外壁に花崗岩の横帯を取り付ける辰野お得意のデザインが用いられています。仰々しい感じのする玄関上の庇のデザインなども印象的ですが、この建物の最大の見どころが三条通り側の両脇に取り付けられた塔屋でしょう。どちらかという寸胴な感の強い明治期の辰野作品の中では、とてもシャープな感じがします。ただ狭い三条通りでは、その美しい塔屋をきちんと確認できないのが悔やまれます。
またこの時の訪問は元旦だったため博物館は休館で内部を撮影できませんでしたが、明治の銀行店舗らしい木の温もりの溢れる店舗内も見どころの一つです。

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by tokyo-farwest-net | 2010-01-13 23:13 | ■京都 | Trackback | Comments(2)

旧山口銀行京都支店

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◆旧山口銀行京都支店
  ◎設計:辰野金吾(辰野片岡建築事務所)
  ◎施工:不詳
  ◎竣工:大正5(1916)年
  ◎構造:煉瓦造り2階建て
  ◎所在地:京都市上京区烏丸通蛸薬師下ル手洗水町


今回からは京都三条通り周辺の建物を幾つか紹介したいと思います。
まずこちらの建物ですが、東京日本橋の日本銀行本店や只今修復工事中の東京駅の設計などで知られる、明治建築界の大家・辰野金吾率いる〔辰野片岡建築事務所〕の設計により竣工したものであります。今からは数年ほど前までは北国銀行の支店として使われていましたが、現在はインテリア関連のお店として使われているとの事です。
またこの建物、赤煉瓦の外壁に花崗岩の横帯を付けた俗に言われる〔辰野式〕スタイルの外観ですが、細部の装飾には明治末から日本でも流行し始めた〔セセッション〕という直線的な幾何学デザインが用いられるなど、大正モダン文化の影響もさりげなく取り入れている隠れお洒落建築であります。しかし細部にモダンデザインを用いても、辰野金吾のスタイルの前ではそれが霞んでしまうというのも、ある意味凄い事ではないでしょうか・・・・・?。

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by tokyo-farwest-net | 2010-01-12 23:12 | ■京都 | Trackback | Comments(0)

京都中央信用金庫丸太町支店(旧第一銀行丸太町支店)

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◆旧第一銀行丸太町支店
  ◎設計:西村好時
  ◎施工:清水組
  ◎竣工:昭和2(1927)年
  ◎構造:鉄筋コンクリート造り2階建て
  ◎所在地:京都市中京区丸太町通西入ル東椹木町


前回の京都七条に続きまして、今回は丸太町通に残る近代建築を紹介したいと思います。
茶褐色のタイルが美しいこの建物は現在京都中央信金の支店として使われていますが、もとは第一銀行の京都丸太町支店として当時第一銀行の建築課長を務めていた西村好時(1886~1961)の設計より昭和2年に建てられたものです。西村は大正3年に清水組(現在の清水建設)に入社したのを機に、長年清水組が店舗営繕を手掛けていた第一銀行の店舗設計を昭和10年代の半ばまで手掛けた人物です。また西村設計作品の作風は、当時の銀行建築で好まれていた西欧の古典主義をベースにしたものが多かったのですが、この旧丸太町支店のようなモダンなエッセンスを取り入れた作品も幾つか手掛けています。ちなみにこの建物が設計され竣工した時期は、日本国内の建築文化がモダニズムへ向けて急速に加速していった1920年代、そのような刺激を西村も自然と吸収していったのでしょうか、色々と想像が膨らんでしまう作品であります。
なお現在この建物の所有者である京都中央信金は、丸太町支店のほか東五条(旧村井銀行、設計:吉竹長一)や七条烏丸(旧不動貯金銀行七条支店、設計:関根要太郎)などの戦前築の銀行店舗を、先人からの文化財として大切に使われている会社でもあります。このような会社の文化財保護に対する英断も、もっと多くの人に知られて欲しいものです・・・・。

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昭和初期竣工の銀行店舗と町屋が自然と融合しているのも京都の町並みの魅力の一つ。
by tokyo-farwest-net | 2010-01-06 22:06 | ■京都 | Trackback | Comments(0)

京都旧野村生命ビルディング

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◆旧野村生命京都ビルディング
  ◎設計:安井武雄
  ◎施工:竹中工務店
  ◎竣工:昭和12(1937)年
  ◎構造:鉄筋コンクリート造り6階建て、地下1階
  ◎所在地:京都市下京区七条通烏丸西入ル東境町191


こちらの建物は、京都駅より烏丸通りを北へ3分ほど歩いた東本願寺の手前にある昭和12年竣工のビルディングです。私は学生時代より何度となく京都へ訪れているので、道路に面してアールを描いたこの建物の姿をよく見ていました。しかしこのビルが、大正末から昭和初期の日本を代表する建築家・安井武雄(1884~1955)の設計作品だと知ったのはつい最近の事です。
安井はこの時期に野村関連のビルの設計を手掛けていましたが、京都下京区の建物もその中の一つです。また安井の作品と言うと、大正期から昭和初期のアクの強い作風、また大阪瓦斯ビルディング以降のモダニズム路線という作風の変更をおこなっていますが、こちらは後者のモダニズム風に該当します。なお現在外壁には紺色のタイルが貼られいますが、竣工当初は淡い黄緑色のタイルが貼られていたとのこと。さぞかしド派手な建物だった事でしょう。
またこの向かいには関根要太郎設計の旧不動貯金銀行七条支店(昭和5年築)も建っており、昭和初めのモダニズム建築を同時に二つ味わえる場所でもあります。京都って、見どころ沢山な町だなとつくづく感じます・・・・・。
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by tokyo-farwest-net | 2010-01-02 19:25 | ■京都 | Trackback | Comments(2)

関西電力京都支店

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◆関西電力京都支店(旧京都電燈本社)
  ◎設計:武田五一
  ◎施工:銭高組
  ◎竣工:昭和13(1938)年
  ◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造り7階建て
  ◎所在地:京都市下京区塩小路烏丸西入ル塩小路57


今年の元旦、JR東海の正月フリー切符を使い久々に京都に行って参りました。この切符、新幹線の〔こだま〕しか利用できず、自宅から京都までの往復が11時間かかったのに対し、京都での滞在が僅か7時間というかなりの強行軍でしたが、下京・中京地区の近代建築を何軒か撮影してきたので、今回からはそれらの写真を紹介していきたいと思います。
そういう事で最初に紹介させていただくのが、京都駅前にある関西電力のビルディング。ぱっと見ただけでは、比較的新しい建物とも思えますが、こちらは京都電燈の本社として昭和13年に竣工したものです。設計は関西を中心に活躍した武田五一(1878~1938)が担当しています。武田は明治末に日本で初めてアールヌーヴォーを紹介するなど、日本建築界にモダン建築の礎を築いた人物として知られていますが、その最晩年の作品も当時としては目新しいモダニズムのデザインでまとめ上げたというのもとても興味深い事です。手前のビルに隠れて駅前からは半分しか見えないのが残念ですが、京都では忘れてはいけない名建築の一つだと思います。

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by tokyo-farwest-net | 2010-01-01 23:59 | ■京都 | Trackback | Comments(0)