川越商工会議所、旧武州銀行川越支店
2009年 07月 27日
◎設計:前田健二郎
◎施工:清水組
◎竣工:昭和3(1928)年
◎構造:鉄筋コンクリート造り2階建て、地下1階
◎所在地:埼玉県川越市仲町1-12
❖国登録有形文化財
このプログをはじめて早や半年、東京と横浜の建造物を紹介してきましたが、東京近郊のあの街の事をすっかり忘れていました。その街とは埼玉県の川越です。
川越というと蔵造り商家のほかにも、大正~昭和初期に建てられた近代建築(洋館)が、数多く残っていることをご存じだという方も多くいらっしゃるかも知れません。私の住む町より川越は近所ということもあり、この町の建造物も少しずつながら紹介していきたいと思います。
そういう事で最初に紹介させていただくのは、現在は商工会議所として使われている旧武州銀行。蔵造り商家が多く残る街並みの中で、西欧古典様式の旧銀行店舗はひときわ異彩を放っている存在です。なおこの建物の設計は、建築家・前田健二郎が担当したとのこと。前田は昭和初期にコンペ(設計懸賞競技)を得意としていたという逸話を持つ人物で、東京神田の共立講堂などの設計で知られています。ちなみに共立講堂はモダニズム風なデザインなのですが、川越の旧武州銀行は完全なる古典様式のデザイン・・・・・。このような設計デザインの幅の広さからでも、前田健二郎の懐の深さが伺え知れます。建物自体は小ぶりですが、隙のないデザインはいつ見ても圧巻です。