横浜・パークシティ本牧クラブハウス(旧山手250番館)
2009年 05月 26日
◎設計:アントニン・レーモンド
◎施工:不詳
◎竣工:昭和4(1929)年
◎移築:昭和60(1985)年
◎構造:鉄筋コンクリート造り2階建て
◎所在地:神奈川県横浜市中区本牧原5-5-4 (旧所在地は中区山手町250番地)
先日は横浜ゆかりのチェコ人建築家:アントニン・レーモンド設計作品であるエリスマン邸を取り上げましたが、もう一軒横浜に現存するレーモンド設計の邸宅を紹介します。
現在この建物は本牧のマンションのクラブハウスとして使われていますが、もとは横スタンダード石油の社宅として横浜山手の250番地に建てられたものといいます。外観は山手に現存する旧ライジングサン石油社宅(現フェリス女学院10号館)に似た印象を受けます。しかし旧ライジングサン石油の社宅が屋根が平坦なフラットルーフなのに対し、こちらの建物は屋根瓦を用いるなど徹底的なモダンさの追求というより、伝統とモダンの融合といった感じのデザインが特徴としてあげられます。また構造は鉄筋コンクリート、窓枠のサッシは鉄製など、昭和初期の最新技術が多く用いられた邸宅のようです。
また現在はマンションのクラブハウスとして使われていますが、周りの高層マンションや通りの並木と不思議とマッチしているのは、やはりこの邸宅のデザインの素晴らしさが際立っているからではないかとも、久しぶりの訪問でふと思ってしまいました。
こんな場所に残っているのですね。
レーモンドのセンスの良さを感じます。