旧横浜生糸検査所、現北仲BRICK
2009年 05月 17日

◎設計:遠藤於菟
◎施工:大林組
◎竣工:大正15(1926)年
◎構造:鉄筋コンクリート造り3階建て
◎所在地:神奈川県横浜市中区北仲通5-57
前項で紹介した旧横浜生糸検査所に続き、こちらも建築家・遠藤於菟(1866~1943)設計の旧生糸検査所の施設で旧事務所棟です。生糸検査所というより帝蚕倉庫の事務所といった方が馴染みがあるかも知れません。
こちらの事務所棟も先に紹介した本棟や倉庫棟と同じく、柱部分に煉瓦を張りけるというデザイン。また当時の遠藤於菟は自らが設計した鉄筋コンクリート製の建物の柱に、このような煉瓦を張り付ける手法をたびたび用いています。遠藤の十八番といえるスタイルだったようです。またこの事務所棟も煉瓦の列柱の上に、蚕のモチーフなどの装飾が取り付けられていたようですが、現在は撤去されています。
忘れられがちな存在の建物ですが、近年開通した地下鉄・みなとみらい線〔馬車道〕駅の出口をでると、この建物が目の前に建っています。今後どのような活用がされるかは分かりませんが、明治なかばから昭和初期にかけて横浜の地で活躍した建築家・遠藤於菟の貴重な設計作品として、そして横浜のこれまでの歴史を語る上でも、後世に伝えていくべき建物だと私は考えます。








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★丸井今百貨店札幌本店(設計:遠藤於菟、大正15年築)

これまで紹介した横浜の建物のほかに、札幌に残る遠藤於菟の設計作品・丸井今井デパート。
但し同デパートは業務拡大に伴い、昭和12年から戦後数回にわたって増築工事を実施。それにより現在の店舗は竣工当時の倍以上の高さになり、この当時の面影を残す箇所も殆ど見られないほどに改築されている。
※上の図版・・・・・筆者所蔵の絵葉書より
