三井物産横浜支店、旧三井物産倉庫
2009年 05月 13日

◎設計:遠藤於菟、酒井祐之助
◎施工:直営
◎竣工:明治44(1911)年、昭和2(1927)年増築
◎構造:鉄筋コンクリート造り4階建て
◎所在地:神奈川県横浜市中区日本大通14
先日は横浜ゆかりのアメリカ人建築家:J・H・モーガンの横浜に現存する設計作品を紹介しましたが、今回からは明治中期から昭和初期に活躍した建築家・遠藤於菟(1866~1943)の設計作品を紹介していこうと思います。
残念ながら遠藤於菟の設計作品は横浜に2棟、札幌に1棟(大正15年竣工の丸井今井デパート、その後の度重なる増築で原型を留めず)のみが残るだけですが、遠藤の代表作とも言うべき作品がこの横浜に現存しています。それが今回紹介する三井物産ビル。「日本初の鉄筋コンクリート製オフィスビル」として知られる、日本近代建築史に残る傑作と言われる作品です。
遠藤は明治30年代より横浜正金銀行の現場監督を務め、その傍ら当時最先端のアールヌーヴォーを自らの設計作品に取り入れるなど、日本建築界の近代化に貢献した人物として知られています。そして遠藤が取り組んだものの一つが、鉄筋コンクリート製の建造物を施工するという事でした。
遠藤は三井物産ビルの建設にあたり、明治43年にこの建物の裏手にあたる同社の倉庫を煉瓦造り・一部コンクリートを用い落成。そして明治44年には、三井物産のビルディングの写真左側の部分を鉄筋コンクリートで落成させました。なお当時の三井物産は、生糸の輸出が主要な産業でしたので、同社がいかにこのビルの建設に重点を置いていたのかが伺えます。
また大正12年の関東大震災で建物自体は地震の被害を受けなかったようですが、周辺で起きた火災の被害を受け一部損傷。その修復工事と併せて昭和2年に増築されたのが、写真中央玄関から右手の2号ビルディングです。
なお現在、横浜都市発展記念館でおこなわれている横浜建築家列伝展では、明治44年竣工当時の外壁のタイル、また遠藤於菟と共同設計者である酒井祐之助の間に取り交わされた契約書など貴重な資料も展示されています。この三井物産ビルと横浜都市発展記念館は目と鼻の距離なので、当時の貴重な資料を見た後に実際にビルディングを見るというのも面白いかも知れません。決して素通りはできない横浜が誇る名建築のひとつです。









◎設計:遠藤於菟
◎施工:直営
◎竣工:明治43(1910)年
◎構造:煉瓦造り、一部コンクリート製
◎所在地:神奈川県横浜市中区日本大通14



横浜地裁も出てきます。
戦前の舶来の都市の象徴だったのでしょうね。
また、この映画には戦前のジャズクラブのフロリダでも撮影されています。
東京大空襲でなくなったので、貴重な映像ですね。
