◆尾山神社神門
◎設計:津田吉之助
◎施工:津田吉之助
◎竣工:明治8(1875)年11月
◎構造:木骨石造、木造一部煉瓦造(1階)
:木造漆喰塗り(2階・3階)
◎所在地:石川県金沢市尾山町11-1
❖国指定重要文化財
既に別ブログでは
紹介を開始していますが、こちらでも今年(平成31年:2019)年4月に行った金沢建築探訪記を始めたいと思います。
そういう事でこちらの第一回目は、金沢の観光ポスターなどで度々登場する尾山神社の神門を取り上げたいと思います。
尾山神社は加賀藩の藩祖である前田利家を祀るため、明治6(1873)年に創建された社と言います。その際に社殿などが建てられましたが、その一環でこの神門が建てられた訳です。しかしこの神門、寺社建築の定番である伝統的な和風スタイルではなく、一層には戸室石を貼った洋風の影響が強いスタイル、二層・三層は洋風か中華風か和風とも言えぬ擬洋風なデザインが施されています。また神門の上には日本最古と言われる避雷針が設置されており、この建物に更なるインパクトを与えています。
そして三層目の窓には当時としては珍しかった色ガラスが嵌められ、夜間になると室内に明かりが灯され、創建当時は金沢郊外の港からも見えることから、灯台の役割も果たしていたと言います。ちなみに尾山神社から海までは数キロの距離があり、真偽のほどはかなり怪しいですが、文明開化まもなくの金沢の人たちには神門の登場は、かなりのインパクトがあった事は紛れもない事実でしょう。兼六園や金沢城や茶屋街などと共に、この町を代表する歴史的施設であります。
ちなみに尾山神社の門前には、建築家・関根要太郎(1889~1959)1959設計の不動貯金銀行金沢支店が建っていました。
詳しくは下のリンク記事をご参照ください。