◆東福寺
◎設計:不詳
◎施工:不詳
◎竣工:応永12(1405)年・・・・山門
:文政6 (1823)年・・・・開山堂
:昭和9 (1934)年・・・・本堂
◎構造:木造
◎所在地:京都市東山区本町十五丁目
❖国宝、国指定重要文化財
京都には数多くの歴史ある寺院がありますが、個人的に大好きな寺院の一つが東山の東福寺です。鎌倉時代に創建したというこの禅寺、明治はじめの火災などで伽藍が焼けるというアクシデントにも見舞われましたが、昭和9(1934)年に本堂・方丈などが再建され現在の伽藍になったと言います。なお東山魁夷の絵でお馴染みの重森三玲(1896~1975)作の庭は、この数年後に作られたものです。なお、この時は見学しませんでしたが法堂・天井の蒼龍図は、京都を拠点に活動していた画家・堂本印象(1891~1975)作によるものです。シャープな出来の法堂などを見ても昭和の再建もかなりの完成度で、既存の伽藍と遜色することなくこの寺院を彩っています。
この寺院の美と言えば伽藍の建築群の美しさのほか、渓谷の上に架けられた通天橋や臥雲橋など自然と調和させたその作りであります。寺院南の巨大寺院伽藍から一転した三ノ橋の自然美はいつ訪れても感動させられます。東福寺と言えば紅葉の時期があまりにも有名ですが、他の季節でもとても美しくこの寺を彩ります。
どの季節に訪れても美しい東福寺。一つだけケチを付けたいのですが、京阪電車やJRの東福寺駅から訪れると伽藍の中央部分から入ってしまい、伽藍の立派さを堪能できないとという事です。そういうことで東福寺駅の1駅南に位置する鳥羽街道駅から寺を訪れたことが何度かあるのですが、鉄道会社も寺院もそちらからの参拝者を想定していないためか、距離の割に移動が面倒だったと記憶しております。個人的には普段は入れない三門をくぐって、法堂、禅堂、東司などを見学し、方丈や通天橋や開山堂を堪能してみたいものです。
しかし東福寺は、いつ訪れたも素敵ですよね。次回、京都を旅する機会があったらまた再訪してみたい寺の一つです。いつか紅葉の時期にも訪れてみたいものです。