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東京千代田区の日本水準原点標庫

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◆日本水準原点標庫
  ◎設計:佐立七次郎
  ◎施工:直営
  ◎竣工:明治24(1891)年5月
  ◎構造:石造平屋
  ◎所在地:東京都千代田区永田町1-1
   ❖東京都指定有形文化財


このところ以前にも増して行動範囲が定番化している私ですが、2月の下旬の週末は地下鉄有楽町線の永田町駅で下車し、皇居・丸の内をめぐる簡単な都心散策を楽しみました。その中でも久しぶりに訪れたのが、国会議事堂の前庭です。二重橋や東京駅の賑わいとは違い訪れる人は殆どおりませんが、憲政記念館がある北側の庭園は桜田門や桜田濠、丸の内が一望できる隠れたビュースポットであります。

そり庭園内にひっそりと建っているのが、日本水準原点標庫。明治の初めにに日本政府(陸軍陸地測量部)が地図測量に際し海抜水準を決めるために、ここに原点標の設置を定め、それを収納するためにこの標庫が建設されたという次第です。
ちなみに設計を担当したのは、佐立七次郎(1856~1922)という讃岐出身の建築家。佐立さんと言えば、明治はじめに工部大学校の第一期生として、辰野金吾や片山東熊、曾禰達蔵らと共に本格的な建築知識を修得した建築家として知られています。しかし現存作品は殆どなく、北海道小樽市の日本郵船小樽支店(明治39年築)と、日本水準原点標庫のみのようです。ちなみに永田町のこの作品、西洋の古典主義建築のスタイルを忠実に再現した、とてもお堅い真面目な建築作品であります。

なおこの水準点、比較的地盤沈下などの影響の少ない武蔵野台地のへりにあたる場所に置かれております。ちなみに明治24(1891)年当時24メートル50センチだった海抜は、大正12(1923)年の関東大震災で約8センチ、平成23(2011)年の東日本大震災では2.4センチ地盤が沈下し水準標高が訂正されたそうです。そのような話を聞くと、地球のスケールの大きさを実感してしまいますね・・・・。

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by tokyo-farwest-net | 2018-03-17 07:17 | ■東京・23区 | Trackback | Comments(0)

『関根要太郎研究室@はこだて』の番外編プログ。本編で取り上げていない近代建築の写真を中心に紹介していきます。


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