北九州市門司区の新海運ビル
2015年 08月 29日
◎設計:門司市土木課
◎施工:木下組
◎竣工:昭和5(1930)年ころ
◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て
◎所在地:福岡県北九州市門司区西海岸1-4-16
この新海岸ビルは、門司港駅から旧大連航路上屋(昭和4年築)方面へ進んだ国道199号沿いに建つビルです。
今ではお洒落な雑貨店が多く入居し、ガイドブックなどでも紹介されるこのビルですが、昭和5年ごろに門司市土木課の設計により建てられたものです。旧大連航路上屋の時にも解説しましたが、昭和初期の門司港では従来の港が手狭になったため、西海岸に新たな埠頭を築港しました。その頃に建てられたのがこのビルだった訳ですが、竣工時はビルの背後は海でした。当時は海運関係の事務所が多く入居していたと想像されます。
現在では外壁が改修されたり、背後に黄色いペンキが塗られていたりして、竣工時の雰囲気は偲べませんが、建物背後のアーチ窓はこの建物が歴史ある建造物であることを気づかせてくれます。また階段室の装飾などは、アールデコ調になっており設計者のセンスを窺える箇所であります・・・・・。