東京神保町の旧相互無尽会社
2012年 02月 18日
◎設計:安藤組
◎施工:安藤組
◎竣工:昭和5(1930)年
◎構造:鉄筋コンクリート造4階建て
◎所在地:東京都千代田区神田神保町2-19
本日別プログにおいて神田錦町の学士会館〈昭和3年築)を紹介しましたが、その帰りに立ち寄ったのが神保町の裏通りにあるこの建物です。現在はどのような用途で使われているかは知りませんが、今から20年くらい前は住友銀行系列のわかしお銀行の施設として使われていたと記憶しております。個人的な話になりますが都内某学校の学生だった私はこのそばの中古レコード店でアルバイトしており、貫禄あるこの建物をその当時から意識していたのであります。すっかり神保町の街並みも変わりましたが、この建物は今も健在です。
さてこの建物、詳しいプロフィールについては不明な点が多いようですが、昭和5年に戦前に活躍したゼネコン・安藤組により建てられたものとの事。〔無尽〕と〔相互〕という名称から察すると、小口にお金を貸す事をメインにした金融機関の施設だった事になるでしょう。極端に狭い玄関などを考えると、そのような用途で使われていた可能性はかなり高いと思います。また外観は少しいかついですが、当時流行のスクラッチタイルとテラコッタを使っているのも見逃せない点です。この先も何となく生き続けて欲しい隠れた町の名建築の一つであります。
戦後のこの建物の詳細に変遷をご教示していただき誠に有難うございます。
ところでもう一つの疑問なのですが、この建物竣工時は相互無尽という会社が所有者だったのでしょうか?。
戦前の「無尽」に、戦後の「相互」。偶然そのような二つの名前が重なったと言えばそれまでですが、ちょっと不自然な名称な感じもしてしまいます・・・・。
三井住友銀行の変遷を調べますとわかしお銀行と合併した時に存続銀行としてはわかしお銀行が残り一時三井住友銀行は消滅したことになっています。その後わかしお銀行の名称を三井住友銀行に改称したようです。バブル期の負債の清算のための手段だったようです。長々のコメントすいませんです。