岩手県・盛岡信用金庫本店(旧盛岡貯蓄銀行本店)
2011年 07月 24日

◎設計:葛西萬司(葛西建築事務所)
◎施工:中沢三蔵ほか
◎竣工:昭和2(1927)年
◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て
◎所在地:岩手県盛岡市中の橋通り1-4-6
❖盛岡市指定保存建造物
盛岡市の金融街・中の橋通りには旧盛岡銀行本店(明治44年築、設計:辰野葛西建築事務所)と旧九十銀行本店(明治43年築、設計:横浜勉)という美しく素晴らしい戦前築の銀行建築が残っていますが、もう一軒見逃してはいけない銀行建築が残っています。それは盛岡信用金庫の本店、昭和2年に盛岡貯蓄銀行の本店として建てられたものです。
設計は葛西萬司(1863~1942)という建築家の事務所。葛西萬司と言えば明治末にかの辰野金吾と共に設計事務所を設立し、その後数々の傑作を作りだしていきますが、辰野の没後に自らの建築設計事務所を開設しております。その作品がこの盛岡の銀行店舗という訳です。なお盛岡は葛西の出身地という事もあり、この銀行店舗の設計を依頼されたようです。
また辰野金吾のパートナーという事で、辰野が得意としていた赤煉瓦に花崗岩の横帯を付けるあの作風を想像してしまいがちですが、作風はそのような要素が一切ないというのも面白いところ。辰野の存命中は煉瓦建築全盛の時代でしたが、大正の後半に入ると鉄筋コンクリートへとその需要が変化していきます。この斜め向かいに建つ辰野・葛西の共同設計作品から竣工は僅か十数年後の事ですが、これだけの大きな変化が建築界で起きていたというのも、この時代の建築の興味深い所だと思います。









