岩手県盛岡市の開運橋
2011年 07月 17日
◎設計:横河橋梁
◎施工:直営
◎竣工:昭和27(1952)年
◎構造:鋼鉄製トラス橋
◎所在地:岩手県盛岡市開運橋通
ここ1年ほど、超スローペースの更新が続いている当プログですが(苦笑)、久しぶりに活発に記事を発表するネタが出来ました。それは東北の建築探訪です。実は今年の6月から約1ヶ月半ほどおこなわれたJR東日本の1日フリーパスを使い、今月上旬の2回に分けて東北を旅してきた訳です。今年3月の大震災の傷が癒えぬうちの訪問は正直失礼かなと思いましたが、一観光客として東北の町を訪れる事で、東北の復興に微力ながら貢献出来るならと思い今回は新幹線に乗り日帰りの強行ツアーをしてきたのであります。
さて東北旅行で最初に訪れたのが、岩手県の盛岡市。古くは南部藩の都として栄えた町ですが、文明開化以降に建てられた素晴らしい近代建築も数多くある事で知られる町でもあります。滞在時間は6時間ほどでしたが、駆け足で盛岡の建築探訪を楽しんできた訳です。
そういう事で盛岡で最初に紹介させていただくのは、盛岡の駅前を流れる北上川に架かる開運橋。盛岡を訪れた方は必ず渡るであろうこの橋、その歴史は比較的新しく、明治23年に当時の岩手県知事・石井省一が盛岡駅開業に伴い私費を投じて完成させたものだと言います。町の大動脈としての必要性を感じて私費を投じてまで、当時の県知事は橋を架けたのでしょう。
そして現在の橋は昭和27年竣工のもの。いわゆる橋の定番スタイルとも言うべきトラス式の橋ですが、個人的に興味をそそられるのは横河橋梁が製作したものだということ。横河橋梁は建築家の横河民輔(1864~1945)が開設した会社で、国内の主要な橋梁を製作している事でも知られます。戦後間もなくの作品という事もあり若干線が細いような気もしますが、北上川の爽やかな流れとマッチしているような気がします。今の段階ではその評価が低いようですが、いずれ岩手の名建築の一つとして紹介されて欲しい美しい橋であります・・・・・・。