東京中央区のカトリック築地教会
2011年 01月 23日
◎設計:石川音次郎、ジロジアス神父
◎施工:不詳
◎竣工:昭和2(1927)年
◎構造:木造モルタル塗り平屋
◎所在地:東京都中央区明石町5-26
❖東京都選定歴史的建造物
東京中央区の明石というと、昨年の夏に十分な論議もされぬままに解体された区立明石小学校(大正15年築)の事を真っ先に思い浮かべてしまいます。その明石小の向かいに建つのがこのカトリック築地教会です。築地と言うと幕末より外国人居留地が置かれていた一帯で、この教会もその時代に設立されたものだそうです。また現在の聖堂は関東大震災で倒壊した先代の聖堂に代わって新築されたもの。外観を見ると重厚な感じもしますが、実はこれ木造で外壁にモルタルを塗って石造り風に見えるようにしています。
明石小の解体計画が表面化する以前からこの界隈はよく訪れていましたが、この教会は東京都選定歴史的建造物に指定されている事もあってか信者さん以外の来訪者を多く見かけました。しかし町の歩んできた歴史を考えれば、教会も小学校も同等の価値があったのではないかと私は考えます。歴史的建造物というと、国や都道府県の文化財に指定されたものばかりに注目が集まってしまうのは当然ですが、それ以外にも地域の歴史と共に歩んできた生きる文化財が数多くある事も忘れてはいけないと思います・・・・・・。