東京小平市の旧小川郵便局舎
2011年 01月 20日

◎設計:植竹寅吉
◎施工:不詳
◎竣工:明治41(1908)年11月
◎構造:木造平屋
◎所在地:東京都小平市天神町2-57
❖小平市指定有形文化財
今回取り上げる旧小平小川郵便局舎は、東京都の北部にある小平市の〔小平ふるさと村〕に建つ移築建造物です。明治41年に同市の小川町に建てられたこの郵便局は、平成2年に同地に移築復元されています。
民家風のこの旧郵便局は一般の郵便業務のほか、大正末より昭和初期までは電話交換業務もおこなわれていたとのことです。それと個人的には、昭和50年代の後半まで現役の郵便局舎として使われていたという事を知り、ちょっと驚きました。なおこの郵便局舎の旧所在地である小平市小川町は青梅街道と府中街道という江戸期からの旧道が交差する土地で、江戸期から続く農家のお宅も何軒か残る、昔の武蔵野の風情を色濃く残す地域でもあります。そのような場所ということもあり、戦後高度成長期の土地開発ブームなどの影響を受けず、素朴な郵便局舎が使われ続けてきたのではないかと想像できます。
東京郊外と言うと、画一的な宅地が続く退屈な地域にも思えますが、このような素敵な歴史的建造物も大切に使われ続けています。また〔小平ふるさと村〕にはこの他にも何軒かの古民家が移築され、昔の武蔵野の風情を体感できる場所になっています。公共交通機関のアクセスが少し悪いですが、機会があればぜひ一度訪れていただきたいお勧めスポットであります。










