旧日本郵船神戸支店
2010年 09月 02日

◎設計:曾禰中條建築事務所
◎施工:大阪橋本組
◎竣工:大正7(1918)年
◎構造:鉄筋コンクリート・煉瓦造3階建て
◎所在地:神戸市中央区海岸通1-1-1
メリケン波止場入口に建つルネサンス調の石造りの外観が印象的なこのビル、現在はファッション関係の店舗として使われていますが、大正7年に日本郵船の神戸支店として建てられたもの。戦前に建てられた日本郵船の旧事務所は神戸のほか小樽・横浜などに現存していますが、明治竣工の小樽、昭和初め竣工の横浜とは、また違った風味が出ているのがこの神戸支店です。なお昭和20年の空襲で焼失し撤去されたそうですが、それまでは玄関上にドーム屋根が置かれていたとのこと。この当時の建造物は鉄筋コンクリートをはじめとした建築技術の進歩により、デザインをはじめとして物凄い勢いで変貌を遂げていましたが、この神戸支店は少し明治の薫り漂う作風になっています。
またこのビルは戦前の国内を代表する建築設計事務所だった〔曾禰中條建築事務所〕が設計を担当しています。なおこの神戸支店の竣工のまもなく、同建築事務所はアメリカのフラー社の力を借り日本郵船の東京本社(大正12年築、現存せず)の設計に着手、神戸支店とは作風の異なるアメリカ風の大規模オフィスをデザインしました。そのような観点から見ると、日本郵船の神戸支店時代の転換期の作品ということになるでしょうか・・・・・。








