旧横浜正金銀行神戸支店(現神戸市立博物館)
2010年 08月 18日
◎設計:桜井小太郎(桜井建築事務所)
◎施工:竹中工務店
◎竣工:昭和10(1935)年
◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造3階建て
◎所在地:神戸市中央区京町24
❖国指定登録有形文化財
前回紹介したチャータードビルなどが並ぶ神戸のバンド(海岸通り、国道二号線)より三宮方面に向かったすぐの場所に建つのが、5本のドリス式オーダーが並ぶ威風堂々としたこの建物。現在は神戸市立の博物館として使われていますが、もとは横浜正金銀行の神戸支店として昭和10年に建てられたものです。横浜正金銀行と言えば戦前の日本で外貨を取り扱う銀行でしたが、この店舗の大きさからでも国際貿易港の神戸がいかに重要視されていたかが伺えます。
設計は三菱の技師長を務めていた経験も持つ建築家・桜井小太郎(1870~1963)が担当。なお桜井はこれ以前に、国内オフィスビルの最高傑作と呼ばれる東京丸の内ビルディングや三菱銀行本店の設計を手掛けていますが、それらの経験が活かされたような非常にそつがないデザインで纏められているのもこの作品の特徴と言えるでしょう。