東京・言問橋
2010年 05月 29日

◎設計:東京市(岩切良介)
◎施工:栗原組
◎竣工:昭和3(1928)年
◎構造:鋼鉄製
◎所在地:東京都墨田区向島~台東区花川戸
先日別プログで墨田区立言問小学校(昭和11年築)を紹介しましたが、そこより数分ほど歩いた隅田川に架かるのがこの言問橋です。
現在の橋は関東大震災後の復興事業の一環として昭和3年に竣工した、東京に残るレトロな橋の一つでありますが、震災前はここには橋はなく復興事業を機に新たに新設された橋ということになります。またゲルバー式鋼板桁のシンプルなデザインで、言問橋の下流に架かる永代橋や清洲橋、厩橋になどに比べるとインパクトがないように思えますが、これは言問橋周辺の隅田川両岸に造成された隅田公園の景観を崩さないようにシンプルな設計がされたとも言われています。そう言われると、計算された見事な設計であります。
またこの界隈、隅田公園をはじめ鉄筋コンクリート製の震災復興小学校舎である小梅小学校なども落成し、震災復興の象徴ともいえる場所でしたが、隅田公園も当初の形状から大きく形を変え、小梅小学校も新しい校舎へと建て替えられ、昭和はじめの華やかさを伝えるのはこの言問橋だけになってしまいました。そういう歴史的背景を考えても、もっと知られて良い橋なのでは・・・?、と私は思ってしまいますが。







