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東京村山貯水池(多摩湖)

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◆村山貯水池(多摩湖)
  ◎設計:中島鋭冶
  ◎施工:分業請負
  ◎竣工:大正13(1924)年・・・・上湖
       昭和2(1927)年・・・・・下湖
  ◎構造:心壁式アースダム
  ◎所在地:東京都東村山市多摩湖町~東京都東大和市多摩湖


このところ東京都心の建築紹介ばかりしていたので、たまには我が地元の建造物を紹介しようと思います。
と言っても今回取り上げるのは村山貯水池という水利施設、地元の人には多摩湖という名称で親しまれています。この村山貯水池は東京の水源確保のために大正期より、工学士の中島鋭冶の監督により狭山丘陵に建設された貯水池で、大正13年に上流にあたる上湖、昭和2年には冒頭の写真でご覧頂いた下湖が竣工しています。なおこの二つの貯水池に分けられるようになったのは、丘陵地の高低差を調整するためだとのことです。また戦後に竣工した大規模ダムに比べれば貯水量は少ないですが、東京に完成した初の本格的貯水施設でした。

この多摩湖、大正末から昭和初期に完成した施設とうこともあり、冒頭の写真にも写っている取水塔をはじめ、その当時らしいデザインが施された箇所が幾つか残っているのもこの貯水池の見どころの一つと言えるでしょう。また数年前より村山貯水池は大規模な改修工事を実施、堤防周辺を中心にかなり様変わりしました。また長年親しまれていた玉石の敷かれた改修前の堤防は、戦時中に米軍からの飛行機空襲を恐れた当局が補強したもので、更に飛行機から発見されないために、堤防にはコールタールで黒く塗装し、貯水池部分には丸太や草を敷き詰めていたと言います。
そのような苦難の時代を持ちこたえた村山貯水池、現在では東京都民のオアシスになっています。また下湖からは西武ライオンズの本拠地である西武ドームのほか、眺めがよければ秩父・奥多摩・丹沢・富士山などが一望できるビュースポットでもあります。機会があればぜひ一度訪れいただきたい、東京の歴史的土木遺産の一つです。

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取水塔の入り口には東京都(東京府)のマークも刻まれている。
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 改修工事がおこなわれた堤防部分。
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堤防南側にある親柱。上が黒くなっているのは、戦時中米軍の攻撃を恐れた当局が、上空から発見されないためにコールタールを塗った名残。
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堤防南側にある橋脚もこの時代ならではのデザイン。
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こちらが上流にある上湖。ちなみに西武ドームはこの背後にある。
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by tokyo-farwest-net | 2010-05-22 22:22 | ■東京・多摩地域 | Trackback | Comments(0)

『関根要太郎研究室@はこだて』の番外編プログ。本編で取り上げていない近代建築の写真を中心に紹介していきます。


by ヨウタロウ撮影員
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