東京ルーテルセンター(日本神学校)
2010年 05月 21日
◎設計:長谷部鋭吉
◎施工:大倉土木
◎竣工:昭和12(1937)年
◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て
◎所在地:東京都千代田区富士見1-2
❖東京都選定歴史的建造物
東京飯田橋界隈と言うと、現代的なビルが建ついかにも東京といった感じの街並みが形成されています。
そのような飯田橋ではありますが、少し坂道を上った富士見という場所にはご覧のような清楚な建物もあります。その建物の名前は東京ルーテルセンター、もとは神学校の施設として建てられたものだそうです。その外観から見ると、建てられてから比較的年数の経っていないものと思われるかも知れませんが、昭和12年に竣工したという列記とした歴史的建造物であります。
設計は大阪の住友本社ビル(昭和5年築)の設計などで知られる長谷部鋭吉(1886~1960)によるもの。長谷部というと住友関連の営繕を中心活躍した建築家で、現在でも関西を中心に幾つかの作品が残っているとのこと。ずぼらな建築ウオッチャーである私は、長谷部の建築作品は千代田区のルーテルセンターしか見たことがありませんが、どの作品も高い評価を得ている当時を代表する建築家であります。
またルーテルセンターの外観はとてもシンプルなもの。この時代の国内建築界は、装飾を排したインターナショナルデザインが全盛を極めていた時代なので、恐らくその影響を受けて建てられたものなのでしょうか。少し控えめな印象も受けますが、長谷部のセンスの良さを感じる作品です。いずれ長谷部の作品を見に、大阪へ行かなければと思ったこの時の訪問でした・・・・。