東京江東区の清州寮
2010年 05月 07日
◎設計:不詳
◎施工:大林組
◎竣工:昭和8(1933)年
◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造4階建て
◎所在地:東京都江東区白河1-3
前回は清澄公園脇に建つ旧東京市営店舗向住宅を紹介しましたが、この清州寮はそこからすぐそばの清州通り沿いにあるものです。
一見すると比較的新しい建物にも見えますが、なんとその竣工は昭和8年。つまり今年で築77年を迎えるという年季の入った建物な訳ですが、そのような古さを微塵も感じません。また古さを感じない理由としてはメンテナンスの良さは勿論のこと、当時として最新のデザインだったモダニズムを取り入れたからでしょう。各階の窓上下などに付けられた水平を強調した庇や、建物中央に付けられたバルコニーなどはシンプルではありますが、力強さを同時に感じます。
またモダンさが目立つ建物ではありますが、住居部分の入り口にあたる場所には繊細なとても美しいモザイクタイルが貼られていたり、窓枠が木製だったり昔の建物ならではの温もりを感じさせてくれます。1階の店舗部分を除いた階上の部分は、住居として使われていることもあり見学は出来ませんが、東京の隠れた文化遺産として生き続けて欲しい建物の一つであります。
◆この建物は1階部分が店舗として使われていますが、2階より上は一般住居として使われていますので、プライベート部分の見学はご遠慮ください。