同潤会上野下アパート
2010年 04月 03日
◎設計:同潤会
◎施工:不詳
◎竣工:昭和4(1929)年3月
◎構造:鉄筋コンクリート造2階建て
◎所在地:東京都台東区東上野5-4-3
この同潤会アパートメントは、地下鉄銀座線の稲荷町駅のすぐそばにあるものです。
同潤会は関東大震災後の住宅供給を目的に東京・横浜に10数箇所のアパートを建てましたが、この上野下アパートはその中で現存する数少ない作品であります。同潤会アパートというと解体時に話題になった江戸川橋や青山などの大規模施設を想像してしまいますが、この上野下アパートは鉄筋コンクリート造4階建ての棟が二つだけの小規模なものです。外観を見る限りでは築80年を過ぎたとは思えないほど、メンテナンスが行き届いているのも驚きであります。このアパートが竣工したのは日本初の地下鉄が上野・浅草間に開通した約1年半後、その駅を下車してすぐの場所に建つ上野下アパートは当時の人々にとっては高根の花だったに違いありません。
現在も一般の方が住まわれているので迷惑にならない程度に見学していただきたい、昭和戦前のモダン東京の雰囲気を今に伝える貴重な遺産であります・・・・。