川越蔵造り通りの田中屋
2010年 03月 10日

◎設計:不詳
◎施工:不詳
◎竣工:大正4(1915)年
◎構造:木造モルタル塗り2階建て
◎所在地:埼玉県川越市仲町6-4
川越の蔵造り通りには黒漆喰塗りの和風商家のほか、旧八十五銀行本店など大正から昭和初期に建てられた洋風建築が数多く現存していますが、この田中屋もその中のひとつです。
もとは輸入自転車の販売店として大正4年に建てられたそうですが、西欧の古典建築をベースにしながら玄関脇に施されたルネサンス風のモチーフが簡略化したデザインなどは、いかにも大正期らしいものであります。先に紹介したように竣工当初は輸入自転車の販売店ということで、施主やこの建物を造った棟梁は、皆の注目をいかに集めるかということに知恵を絞ったのではないかと思える建物であります。竣工より九十数年経った現在でも、そのインパクトは失われていない川越の誇る洋風建築の一つと言えるのではないでしょうか。







