タグ:デパート建築 ( 4 ) タグの人気記事

川越の旧山吉デパート

a0110756_18483617.jpg
◆旧山吉デパート
  ◎設計:保岡勝也
  ◎施工:不詳
  ◎竣工:昭和11(1936)年
  ◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て
  ◎所在地:埼玉県川越市仲町6-6


川越蔵造り通りに残る戦前築の洋風建築と言えば、ドーム屋根の旧八十五銀行本店:現埼玉りそな銀行川越支店(大正7年築)が代表的な建造物としてあげられますが、もうひとつ忘れてはいけないとても素敵な建物があります。それが今回紹介する旧山吉デパートです。
鉄筋コンクリート製3階建てのこのビルディングは、昭和11年に川越初の高級デパートとして建てられたもので、設計は先に紹介した旧八十五銀行の設計を手掛けた建築家・保岡勝也(1877~1942)が担当しています。保岡は明治末に三菱の営繕課に在籍し同社関連の建造物を数多く手掛けましたが、大正2年に個人の設計事務所を開設、それから間もない時期に川越貯蓄銀行本店(大正5年築:現存せず)、そして八十五銀行本店の設計を手掛けています。恐らく川越山吉デパートの経営陣は、そのような実績を買って保岡に設計を依頼したのでしょう。
建物の規模は大都市にあるデパート建築に比べれば小規模なものですが、竣工当初は屋上に庭園が設けられ、玄関周辺にはステンドグラス取り付けられるなどとても華のある建物だったようです。またこの建物今から数年前まで空き家の状態でしたが、現在は歯科医院として再生活用されご覧のような美しい姿へと生まれ変わっています。川越を訪れた際には是非とも注目していただきたい、昭和初期の川越のモダンぶりが伺える素敵な建物であります・・・・・。

a0110756_18533219.jpg
a0110756_18552539.jpg
a0110756_18565489.jpg
a0110756_18595825.jpg
a0110756_193145.jpg
a0110756_19556.jpg
a0110756_1965564.jpg
a0110756_198489.jpg
a0110756_1992612.jpg

[PR]
by tokyo-farwest-net | 2010-03-16 20:16 | ■埼玉・川越

東京日本橋の三越本店

a0110756_1534176.jpg
◆三越本店
  ◎設計:横河民輔(横河工務所)
  ◎施工:直営
  ◎竣工:昭和2(1927)年
  ◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造り
  ◎所在地:東京都中央区日本橋室町1
   ❖東京都選定歴史的建造物


戦前築の歴史的建造物が数多く残る東京の日本橋ですが、その中で代表的な建物と言えるのがこの三越本店でしょう。
皆さんもご存じのように三越は明治37年に西欧式のデパートメントスタイルを採用、大正3年には建築家・横河民輔(横河工務所)設計による鉄骨5階建ての新店舗を完成させています。しかし大正12年の関東大震災で以前の店舗が焼けたため、横河の設計により再建されたのが現在の店舗です。またタクシー乗り場などがある日本橋側の棟は昭和10年代の増築とのことですが、一体感あるデザインが施され違和感ない仕上がりになっています。
三越の建物外部のデザインは、大正期に竣工した先代の店舗のルネサンス調を継承したものですが、建物内の中央吹き抜けや細部のデザインは、この当時全盛を極めていたアールデコが用いられているのが特徴としてあげられます。買い物ついでにアールデコの装飾探しをしてみるのも、面白いかも知れません。豪華でありながら、大衆的で親しみやすいのがこのデパートの最大の魅力と言えるのではないでしょうか・・・・・・。

a0110756_1540204.jpg

a0110756_15421021.jpg
a0110756_1546017.jpg
a0110756_15552791.jpg
a0110756_1551556.jpg
a0110756_1553923.jpg
a0110756_15574125.jpg

a0110756_1559566.jpg
a0110756_160986.jpg
a0110756_1645846.jpg
a0110756_166239.jpg
a0110756_1683747.jpg
こちらは地下鉄三越前の装飾。
a0110756_1694363.jpg

[PR]
by tokyo-farwest-net | 2009-11-11 11:11 | ■東京・23区

東京日本橋の高島屋新館

a0110756_8492658.jpg
◆高島屋新館(日本生命東京総局)
  ◎設計:村野藤吾(村野・森建築事務所)
  ◎竣工:昭和29(1954)年
  ◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造り
  ◎所在地:東京都中央区日本橋2-11


村野藤吾の隠れた名作としてお勧めしたいのが高島屋の増築棟。どちらかというと中央通り沿いの旧館がよく知られていますが、その背後は村野設計により戦後増築されたものです。
増築部分中央には村野氏らしい搭屋や、壁面を大部分をガラスブロックが覆うなど新しさも持ち合わせていますが、階上部分は旧館の意匠を引き継ぎ全体のバランスを崩さない配慮をしているなど、村野氏のセンスの良さを実感できる作品なのではないかと私は考えております。
道路の奥に足を進めて是非とも見学して頂きたい素敵な場所です。

a0110756_8505714.jpg
a0110756_8521522.jpg
a0110756_8531276.jpg
a0110756_8541142.jpg
a0110756_11513230.jpg
a0110756_8553565.jpg
a0110756_856470.jpg
a0110756_8565827.jpg

[PR]
by tokyo-farwest-net | 2009-08-14 09:14 | ■東京・23区

東京日本橋の高島屋

a0110756_23523730.jpg
◆高島屋日本橋店(旧日本生命館)
  ◎設計:高橋貞太郎、前田健二郎
  ◎施工:大林組
  ◎竣工:昭和8(1933)年
  ◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造り7階建て
  ◎所在地:東京都中央区日本橋2-4-1
   ❖東京都選定歴史的建造物

  
前回の野村證券に引き続き、本日も日本橋界隈に残る近代建築の紹介です。今回取り上げさせていただく高島屋日本橋店は、日本橋から中央通りを銀座方面にすすんだところにある、昭和8年築のレトロ建築。日本橋を代表する名建築のひとつといえるものです。

ルネサンス風の豪華絢爛なこのデパート設計は、建築家の高橋貞太郎(1892~1970),が担当。高橋の設計作品は東京港区白金の服部金太郎(セイコーの創業者)邸、また戦後の作品になりますが東京内幸町の帝国ホテルの新館などが現存しています。当初この建物は、デパートとしてではなく日本生命所有のビルとして建てられはじめましたが、途中高島屋が借りることになり設計が一部変更されたといいます。少し余談になりますが、銀座松屋も、当初は第一徴兵保険の自社ビルとして建てられ始めたものを、デパート仕様に設計を変更し竣工に至ったものです。

日本橋高島屋の外観はルネサンス風を基調にしながらも、玄関の細部装飾は和風をモチーフとしたアールデコ装飾が施されていたり、昭和初期らしいモダンさも窺えるデザイン。
高島屋日本橋店竣工以前この界隈では、古くから日本橋に店舗を構えていた老舗呉服店の白木屋は表現派といわれるモダンデザイン(現存せず)、三越は関東大震災で焼失した以前の店舗の外観を継承した店舗を竣工させています。そして日本橋に本格出店する事になった高島屋としても、どう日本橋の老舗デパートと張り合う店舗を作るかということが念頭に置かれていたのではないかと思います。堅実ながらも隠し味でモダンな要素を加味した高島屋のデザインには、当時の日本橋デパート事情が関係していたのではないかとも私は考えています。

また店舗内の見どころは、1階のエレベーターホール周辺の吹き抜けと地下の大階段。この建物の竣工と前後して現在の地下鉄銀座線が開通していますから、地下鉄からの乗降客を見据えてこのような大階段が設置された訳ですが、地下から地上にあがるあのワクワク感は昭和初期の人達も同じだったのではないかと思います・・・・・。

a0110756_23515559.jpg
a0110756_2355427.jpg
a0110756_23564114.jpg
a0110756_23574344.jpg
a0110756_23585451.jpg
a0110756_001136.jpg
a0110756_23591868.jpg
a0110756_005612.jpg
a0110756_025992.jpg
奥に見えるガラスブロック部分は、戦後に村野藤吾設計より増築された部分。こちらについては日を改めて紹介したいと思います。
a0110756_012525.jpg
a0110756_09172.jpg
a0110756_011921.jpg

[PR]
by tokyo-farwest-net | 2009-04-04 00:57 | ■東京・23区