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東京・言問橋

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◆東京隅田川の言問橋
  ◎設計:東京市(岩切良介)
  ◎施工:栗原組
  ◎竣工:昭和3(1928)年
  ◎構造:鋼鉄製
  ◎所在地:東京都墨田区向島~台東区花川戸


先日別プログで墨田区立言問小学校(昭和11年築)を紹介しましたが、そこより数分ほど歩いた隅田川に架かるのがこの言問橋です。
現在の橋は関東大震災後の復興事業の一環として昭和3年に竣工した、東京に残るレトロな橋の一つでありますが、震災前はここには橋はなく復興事業を機に新たに新設された橋ということになります。またゲルバー式鋼板桁のシンプルなデザインで、言問橋の下流に架かる永代橋や清洲橋、厩橋になどに比べるとインパクトがないように思えますが、これは言問橋周辺の隅田川両岸に造成された隅田公園の景観を崩さないようにシンプルな設計がされたとも言われています。そう言われると、計算された見事な設計であります。
またこの界隈、隅田公園をはじめ鉄筋コンクリート製の震災復興小学校舎である小梅小学校なども落成し、震災復興の象徴ともいえる場所でしたが、隅田公園も当初の形状から大きく形を変え、小梅小学校も新しい校舎へと建て替えられ、昭和はじめの華やかさを伝えるのはこの言問橋だけになってしまいました。そういう歴史的背景を考えても、もっと知られて良い橋なのでは・・・?、と私は思ってしまいますが。

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by tokyo-farwest-net | 2010-05-29 20:29 | ■東京・23区 | Comments(0)

東京村山貯水池(多摩湖)

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◆村山貯水池(多摩湖)
  ◎設計:中島鋭冶
  ◎施工:分業請負
  ◎竣工:大正13(1924)年・・・・上湖
       昭和2(1927)年・・・・・下湖
  ◎構造:心壁式アースダム
  ◎所在地:東京都東村山市多摩湖町~東京都東大和市多摩湖


このところ東京都心の建築紹介ばかりしていたので、たまには我が地元の建造物を紹介しようと思います。
と言っても今回取り上げるのは村山貯水池という水利施設、地元の人には多摩湖という名称で親しまれています。この村山貯水池は東京の水源確保のために大正期より、工学士の中島鋭冶の監督により狭山丘陵に建設された貯水池で、大正13年に上流にあたる上湖、昭和2年には冒頭の写真でご覧頂いた下湖が竣工しています。なおこの二つの貯水池に分けられるようになったのは、丘陵地の高低差を調整するためだとのことです。また戦後に竣工した大規模ダムに比べれば貯水量は少ないですが、東京に完成した初の本格的貯水施設でした。

この多摩湖、大正末から昭和初期に完成した施設とうこともあり、冒頭の写真にも写っている取水塔をはじめ、その当時らしいデザインが施された箇所が幾つか残っているのもこの貯水池の見どころの一つと言えるでしょう。また数年前より村山貯水池は大規模な改修工事を実施、堤防周辺を中心にかなり様変わりしました。また長年親しまれていた玉石の敷かれた改修前の堤防は、戦時中に米軍からの飛行機空襲を恐れた当局が補強したもので、更に飛行機から発見されないために、堤防にはコールタールで黒く塗装し、貯水池部分には丸太や草を敷き詰めていたと言います。
そのような苦難の時代を持ちこたえた村山貯水池、現在では東京都民のオアシスになっています。また下湖からは西武ライオンズの本拠地である西武ドームのほか、眺めがよければ秩父・奥多摩・丹沢・富士山などが一望できるビュースポットでもあります。機会があればぜひ一度訪れいただきたい、東京の歴史的土木遺産の一つです。

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取水塔の入り口には東京都(東京府)のマークも刻まれている。
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 改修工事がおこなわれた堤防部分。
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堤防南側にある親柱。上が黒くなっているのは、戦時中米軍の攻撃を恐れた当局が、上空から発見されないためにコールタールを塗った名残。
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堤防南側にある橋脚もこの時代ならではのデザイン。
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こちらが上流にある上湖。ちなみに西武ドームはこの背後にある。
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by tokyo-farwest-net | 2010-05-22 22:22 | ■東京・多摩地域 | Comments(0)

東京ルーテルセンター(日本神学校)

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◆東京ルーテルセンター
  ◎設計:長谷部鋭吉
  ◎施工:大倉土木
  ◎竣工:昭和12(1937)年
  ◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て
  ◎所在地:東京都千代田区富士見1-2
   ❖東京都選定歴史的建造物


東京飯田橋界隈と言うと、現代的なビルが建ついかにも東京といった感じの街並みが形成されています。
そのような飯田橋ではありますが、少し坂道を上った富士見という場所にはご覧のような清楚な建物もあります。その建物の名前は東京ルーテルセンター、もとは神学校の施設として建てられたものだそうです。その外観から見ると、建てられてから比較的年数の経っていないものと思われるかも知れませんが、昭和12年に竣工したという列記とした歴史的建造物であります。
設計は大阪の住友本社ビル(昭和5年築)の設計などで知られる長谷部鋭吉(1886~1960)によるもの。長谷部というと住友関連の営繕を中心活躍した建築家で、現在でも関西を中心に幾つかの作品が残っているとのこと。ずぼらな建築ウオッチャーである私は、長谷部の建築作品は千代田区のルーテルセンターしか見たことがありませんが、どの作品も高い評価を得ている当時を代表する建築家であります。
またルーテルセンターの外観はとてもシンプルなもの。この時代の国内建築界は、装飾を排したインターナショナルデザインが全盛を極めていた時代なので、恐らくその影響を受けて建てられたものなのでしょうか。少し控えめな印象も受けますが、長谷部のセンスの良さを感じる作品です。いずれ長谷部の作品を見に、大阪へ行かなければと思ったこの時の訪問でした・・・・。

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by tokyo-farwest-net | 2010-05-21 21:21 | ■東京・23区 | Comments(0)

東京江東区の清州寮

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◆清州寮
  ◎設計:不詳
  ◎施工:大林組
  ◎竣工:昭和8(1933)年
  ◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造4階建て
  ◎所在地:東京都江東区白河1-3


前回は清澄公園脇に建つ旧東京市営店舗向住宅を紹介しましたが、この清州寮はそこからすぐそばの清州通り沿いにあるものです。
一見すると比較的新しい建物にも見えますが、なんとその竣工は昭和8年。つまり今年で築77年を迎えるという年季の入った建物な訳ですが、そのような古さを微塵も感じません。また古さを感じない理由としてはメンテナンスの良さは勿論のこと、当時として最新のデザインだったモダニズムを取り入れたからでしょう。各階の窓上下などに付けられた水平を強調した庇や、建物中央に付けられたバルコニーなどはシンプルではありますが、力強さを同時に感じます。
またモダンさが目立つ建物ではありますが、住居部分の入り口にあたる場所には繊細なとても美しいモザイクタイルが貼られていたり、窓枠が木製だったり昔の建物ならではの温もりを感じさせてくれます。1階の店舗部分を除いた階上の部分は、住居として使われていることもあり見学は出来ませんが、東京の隠れた文化遺産として生き続けて欲しい建物の一つであります。

◆この建物は1階部分が店舗として使われていますが、2階より上は一般住居として使われていますので、プライベート部分の見学はご遠慮ください。
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by tokyo-farwest-net | 2010-05-07 20:07 | ■東京・23区 | Comments(2)