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東京雑司ヶ谷の旧マッケーレブ邸

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◆マッケーレブ邸(雑司ヶ谷旧宣教師館)
  ◎設計:不詳
  ◎施工:不詳
  ◎竣工:明治40(1907)年
  ◎構造:木造2階建て
  ◎所在地:東京都豊島区雑司ヶ谷1-25-5
   ❖東京都指定文化財


先週末に訪れたのが豊島区雑司ヶ谷にある旧マッケーレプ邸。ここへ訪れるのは本当に久しぶりで、10年振りになるでしょうか。地下鉄副都心線の雑司ヶ谷駅を下車し、池袋周辺に次々と建てられた高層マンションの多さに驚き、ついついそちらの方ばかりに気をとられ歩いた訳ですが、雑司ヶ谷の懐かしい街並みは相変わらず変わっておらず、ちょっと一安心しました。
さてこのマッケーレプ邸ですが、アメリカ出身の宣教師:J・M・マッケーレプの自邸として明治40年に建てられたもので、東京に現存する明治期竣工の木造洋館の一つであります。なおマッケーレプはこの土地に雑司ヶ谷学院を開設、それと同時に建てたのがこの邸宅だったといいます。
またその外観は、マッケーレプの故郷のアメリカにありそうなとても明るい下見板張りのデザインが特徴としてあげられます。あと個人的に明治末に竣工した宣教師館と言うと、〔ホワイトハウス〕の名称で親しまれている遺愛学院宣教師館(明治41年築)を思いだしてしまいますが、函館の宣教師館と比較すると積雪の殆どない東京に建てられたという事もあるのでしょうか、積雪や防寒対策のためどちらかと言うとずっしりした感じに建てられた函館の宣教師館と比較すると、とてもライトな印象を受けてしまいます。同じアメリカ風の下見板建築でも、日本の風土に適応した設計がされているのも面白いものだなと思った今回の訪問でした・・・・・。

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by tokyo-farwest-net | 2010-03-30 20:30 | ■東京・23区 | Comments(0)

東京千代田区の九段下ビル(旧今川小路共同建築)

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◆九段下ビル(旧今川小路共同建築)
  ◎設計:南省吾、震災復興助成社
  ◎施工:不詳
  ◎竣工:昭和2(1927)年
  ◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て
  ◎所在地:東京都千代田区神保町3-4


この古びたビルディングは、地下鉄九段下駅そば日本橋川の畔にあるものです。
現在は九段下ビルと呼ばれていますが、もともとは震災復興助成社の今川小路共同建築として昭和2年に建てられたもの。大正12年の関東大震災後の不燃建築促進のために建てられた、震災復興建築の一つであります。なおこのビルディングの建築主である震災復興社は同ビルの建設に際し、1階と2階部分を店主の店舗兼住宅、また3階部分を貸し部屋にし建設費の負債返済に充てようと計画したそうですが、当初のシナリオ通りには事は進まず多くの負債を抱えたまま解散したとの事です。ちなみに戦前、この建物のような不燃素材の共同建築を建てる事例や計画は幾つかあったようですが、現存する建物などから考えると実現に至るまで難しいプロジェクトだったと推測されます。
またこの九段下ビル、以前は1階部分に万遍なくテナントが入居する活気あふれるビルでしたが、現在ではそのテナントも少しずつ撤退。また外壁には防護用のネットが貼られ、近いうちに解体されるようです・・・・。

❖参考・・・・・・「建築探偵入門」東京建築探偵団著、1986年、文藝春秋社刊
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by tokyo-farwest-net | 2010-03-26 01:26 | ■東京・23区 | Comments(2)

川越の旧山吉デパート

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◆旧山吉デパート
  ◎設計:保岡勝也
  ◎施工:不詳
  ◎竣工:昭和11(1936)年
  ◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て
  ◎所在地:埼玉県川越市仲町6-6


川越蔵造り通りに残る戦前築の洋風建築と言えば、ドーム屋根の旧八十五銀行本店:現埼玉りそな銀行川越支店(大正7年築)が代表的な建造物としてあげられますが、もうひとつ忘れてはいけないとても素敵な建物があります。それが今回紹介する旧山吉デパートです。
鉄筋コンクリート製3階建てのこのビルディングは、昭和11年に川越初の高級デパートとして建てられたもので、設計は先に紹介した旧八十五銀行の設計を手掛けた建築家・保岡勝也(1877~1942)が担当しています。保岡は明治末に三菱の営繕課に在籍し同社関連の建造物を数多く手掛けましたが、大正2年に個人の設計事務所を開設、それから間もない時期に川越貯蓄銀行本店(大正5年築:現存せず)、そして八十五銀行本店の設計を手掛けています。恐らく川越山吉デパートの経営陣は、そのような実績を買って保岡に設計を依頼したのでしょう。
建物の規模は大都市にあるデパート建築に比べれば小規模なものですが、竣工当初は屋上に庭園が設けられ、玄関周辺にはステンドグラス取り付けられるなどとても華のある建物だったようです。またこの建物今から数年前まで空き家の状態でしたが、現在は歯科医院として再生活用されご覧のような美しい姿へと生まれ変わっています。川越を訪れた際には是非とも注目していただきたい、昭和初期の川越のモダンぶりが伺える素敵な建物であります・・・・・。

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by tokyo-farwest-net | 2010-03-16 20:16 | ■埼玉・川越 | Comments(0)

川越蔵造り通りの田中屋

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◆蔵造り通りの田中屋
  ◎設計:不詳
  ◎施工:不詳
  ◎竣工:大正4(1915)年
  ◎構造:木造モルタル塗り2階建て
  ◎所在地:埼玉県川越市仲町6-4


川越の蔵造り通りには黒漆喰塗りの和風商家のほか、旧八十五銀行本店など大正から昭和初期に建てられた洋風建築が数多く現存していますが、この田中屋もその中のひとつです。
もとは輸入自転車の販売店として大正4年に建てられたそうですが、西欧の古典建築をベースにしながら玄関脇に施されたルネサンス風のモチーフが簡略化したデザインなどは、いかにも大正期らしいものであります。先に紹介したように竣工当初は輸入自転車の販売店ということで、施主やこの建物を造った棟梁は、皆の注目をいかに集めるかということに知恵を絞ったのではないかと思える建物であります。竣工より九十数年経った現在でも、そのインパクトは失われていない川越の誇る洋風建築の一つと言えるのではないでしょうか。

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by tokyo-farwest-net | 2010-03-10 20:10 | ■埼玉・川越 | Comments(0)

川越蔵造り通りのモダン洋風長屋

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◆蔵造り通りのモダン洋風長屋
  ◎設計:斉藤玉吉
  ◎施工:斉藤玉吉
  ◎竣工:昭和7(1932)年
  ◎構造:木造モルタル塗り2階建て
  ◎所在地:埼玉県川越市幸町1


今回紹介するのは川越・蔵造り通り脇の小路に建つ四軒続きの長屋。
ちょっと控えめな感じもしますが、よく見るとなかなか洒落たデザインが施されており、個人的には川越でのお気に入りの建物(風景)の一つです。
このモダンな洋風長屋の建設を手掛けたのは、前回のレストラン太陽軒の施工も手掛けた地元棟梁の斉藤玉吉。なぜこんな狭い路地にこんな洒落た長屋を建てたかというと、昭和初期この場所は道路の拡張計画があったそうで、このすぐそばに店舗を構える山吉デパートが、それに先だってこの四軒の建物を貸店舗用として建設したといいます。しかしその計画は頓挫、結果この狭い路地に四軒のモダン長屋は隠れるように生きる運命になった訳です。
個人的な感想としては、この長屋はこの場所にあってこそ絵になっていると思いますが、当時この長屋を建てた関係者たちは道路拡張計画の頓挫に涙したのでしょうね・・・・。

★参考文献・・・・・「小江戸ものがたり」 第四号、特集:川越の洋風建築、川越むかし工房発行、2003年
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by tokyo-farwest-net | 2010-03-06 18:06 | ■埼玉・川越 | Comments(0)