関西電力京都支店
2010年 01月 01日
◎設計:武田五一
◎施工:銭高組
◎竣工:昭和13(1938)年
◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造り7階建て
◎所在地:京都市下京区塩小路烏丸西入ル塩小路57
今年の元旦、JR東海の正月フリー切符を使い久々に京都に行って参りました。この切符、新幹線の〔こだま〕しか利用できず、自宅から京都までの往復が11時間かかったのに対し、京都での滞在が僅か7時間というかなりの強行軍でしたが、下京・中京地区の近代建築を何軒か撮影してきたので、今回からはそれらの写真を紹介していきたいと思います。
そういう事で最初に紹介させていただくのが、京都駅前にある関西電力のビルディング。ぱっと見ただけでは、比較的新しい建物とも思えますが、こちらは京都電燈の本社として昭和13年に竣工したものです。設計は関西を中心に活躍した武田五一(1878~1938)が担当しています。武田は明治末に日本で初めてアールヌーヴォーを紹介するなど、日本建築界にモダン建築の礎を築いた人物として知られていますが、その最晩年の作品も当時としては目新しいモダニズムのデザインでまとめ上げたというのもとても興味深い事です。手前のビルに隠れて駅前からは半分しか見えないのが残念ですが、京都では忘れてはいけない名建築の一つだと思います。