銀座和光(旧服部時計店)
2009年 12月 05日
◎設計:渡辺仁
◎施工:清水組
◎竣工:昭和7(1932)年
◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造り
◎所在地:東京都中央区銀座4-5-11
銀座和光。銀座四丁目の中央通りと晴海通りの角地に建つこのビルは、銀座の顔とも言うべき存在の建物であります。
和光の前身にあたる服部時計店は明治期より同地にて店舗を構えていましたが、関東大震災を機に新築されたのが現在お馴染みのこの建物です。設計は有楽町お堀端の第一生命 、横浜山下町のホテルニューグランド、東京国立博物館本館の設計で知られる渡辺仁(1887~1973)が担当しています。この建物は時計店ということで屋上に時計台を置いた設計がされていますが、どこからでも一目で分かる絶妙な配置は見事の一言に尽きるでしょう。なお渡辺仁は旧服部時計店を皮切りに、銀座数寄屋橋の日本劇場(昭和8年竣工)、有楽町の第一生命ビル(昭和13年竣工)など、東京の一等地であるこの界隈の主要建築の設計を手掛け、この時代の建築界のトップ的存在に上り詰めています。それだけの主要建築の設計を任されたというのも、この銀座和光の素晴らしさを見れば頷けるような気がしないでしょうか・・・・。