横浜市開港記念館、その1
2009年 09月 23日
◎設計:福田重義(原案)、横浜市営繕組織
◎施工:清水組
◎竣工:大正6(1917)年6月
◎構造:煉瓦造り2階建て、地下1階
◎所在地:神奈川県横浜市中区本町1-6
❖国指定重要文化財
横浜市開港記念館、通称・ジャックの塔。大正6年に横浜開港50周年記念事業の一環として建てられたこの記念館は、間違いなく横浜を代表する建造物でしょう。
この建物の建設資金はすべて市民の寄付により賄われ、公開設計競技一等の福田重義案をもとに横浜市の営繕課のメンバーが実施設計をおこない大正6年の竣工に至っています。また竣工6年後に起きた関東大震災では建物内を焼失したため、当初の屋根を簡略化する工事を実施。平成に入り竣工当時の姿に復元され、更に約10年ほど前には、エレベーターの設置などの大がかりな改修工事を実施し現在に至っています。なお最近では横浜市民のみならず、横浜を訪れた人たちにもこの建物に親しんでもらえるような利用方法がされているのも好感が持てます。
例え周辺に高層建築が建てられても、その風格ある佇まいは、横浜の街をしっかりと守っているようにも思えます。そして何より、この記念館を建てた当初の意思が、今もきちんと受け継がれているというのが、とても素晴らしいです。開港200年やその先の時代になっても横浜のシンボルとして親しまれていくに違いありません・・・・・。