横浜市情報文化センター、旧横浜商工奨励館
2009年 02月 12日
◎設計:岩崎金太郎
◎施工:横浜市建築課
◎竣工:昭和4(1929)年
◎構造:鉄筋コンクリート造り4階建て、地下1階
◎所在地:神奈川県横浜市中区日本大通り11
横浜・日本大通りと言えば、キングの塔でお馴染みの神奈川県庁舎、旧イギリス領事館を再生した横浜開港記念館、日本初の鉄筋コンクリート製オフィスビル・三井物産横浜支店など、戦前に建てられた近代建築が多く現存しています。
県庁や三井物産のように竣工当時の用途のまま使われているものもありますし、旧イギリス領事館のように新たな活用方法により建物が生かされている事例など、様々な形で日本大通りの戦前築の建物たちは大切に使われています。その中でも劇的に建物がよみがえったのが、現在は横浜市情報文化センターとして使われているこの建物でしょう。昭和4年に横浜商工奨励館として建てられたものでしたが、私が近代建築に興味を持ち、横浜の街をウロチョロ近代建築ウオッチングをし始めた頃は、空家の朽ち果てたビルだったのを鮮烈に覚えています。
その後、この隣に建つ旧横浜市外電話局(昭和4年築)と、旧商工奨励館の間に高層ビルを建設、この二つのビルはドッキングする形で新たに生まれ変わりました。現在、旧商工奨励館はレストラン等が入居し、新たな名所となっています。また建物外観も竣工時の姿を忠実に再現しており好感の持てるものですが、もう一つの見どころは建物中央の玄関部分と室内階段でしょう。先人が造った大事な遺産をきちんと後世に伝えようという意気込みが、ひしひしと感じられる建物の活用で、横浜へ訪れる度ここに足を運んでしまいます。
▼室内の様子は下のMoreをクリックしていただくと、ご覧になれます。室内も素敵な横浜市情報文化センターです。