北九州市門司区の料亭三宜楼
2015年 08月 28日
◎設計:不詳
◎施工:不詳
◎竣工:昭和6(1931)年
◎構造:木造3階建て
◎所在地:福岡県北九州市門司区清滝3-6-8
先週末をもって、別ブログでは北九州・下関の建築探訪記を終了しましたが、こちらではそちらで紹介しきれなかった素敵な建造物を、引き続き取り上げてい行きたいと思います。
まずこちらの和風建築は、門司港レトロ建築の高台にあたる清滝に建つ、かつて料亭だった建物です。貿易港として繁栄を極めた門司港でしたが、高台にあたる清滝界隈には、商売がらみの料亭が多くあったそうですが、この三宜楼(さんきろう)は、それらの数少ない生き残りとも言える作品です。
昭和6年に建てられたという三宜楼、当時の九州にあった料亭の中でも大規模なものだったそうです。しかし関門鉄道トンネルの開通後は、少しずつ門司港の町も衰退していったようで、昭和30年代には店は閉鎖。また今から十年前には建物と土地が売りに出され、建物存続の危機に瀕したといいます。しかし地元有志の方々の活動により、多くの募金と署名が集まり、建物の保存・再活用が決定。そして修繕工事がおこなわれ、平成26(2014)年より一般公開が始まりました。
この時は残念ながら、時間切れで内部を見学できませんでしたが、 豪華絢爛な空間が広がっているとの事。次回、門司港へ訪れるときには是非こちらを見学したいなと思ってしまった、風格ある和風建築でした。