北九州市・旧門司税関
2015年 07月 04日
◎設計:妻木頼黄、咲壽栄一(大蔵省臨時建築部)
◎施工:清水組
◎竣工:明治45(1912)年3月
◎構造:煉瓦造2階建て
◎所在地:福岡県北九州市門司区東港町1-24
❖経済産業省認定近代化産業遺産
本日は福岡県北九州市の門司港レトロ内にある、 北九州市立国際友好図書館(平成7年築)を取り上げましたが、道路を挟んでその向かいに建つのが旧門司税関です。貿易港・門司ならではの遺構で、美しい赤煉瓦建築であります。
さて冒頭の写真でご覧頂いた門司港の税関は、明治45年の竣工。但しこの赤煉瓦建築、税関の庁舎として使われた期間は短く、昭和2年に税関が大陸連絡船の埠頭がある西海岸へ移転、その後は民間へ払い下げられたそうです。更に昭和20年6月の門司空襲で、内部が焼失・損傷し、その後は民間の倉庫として使われていたそうです。そして平成3年の門司港レトロの町並み整備計画発足間もなくに、北九州市がこの建物を取得。そして4年がかりの修繕期間を経て、平成7年に修繕工事が完了。また時を合わせて、中国大連の旧東清鉄道汽船事務所(明治35年築)を複製した北九州市立国際友好図書館の新築工事、門司の谷町から移築された旧門司三井倶楽部(大正10年築)の工事も完了し、門司港レトロのグランドオープンに花を添えたそうです。
税関庁舎にしてはあっさりとしたデザインですが、今から20年前の復原に携わった人たちの情熱が伝わってくるような、美しい赤煉瓦建築でした・・・・・。