神奈川県庁本庁舎
2014年 01月 11日
◎設計:小尾嘉郎(原案)、神奈川県内務部県庁舎建築事務所
◎施工:大林組
◎竣工:昭和3(1928)年10月
◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造5階建て、地下1階
◎所在地:横浜市中区日本大通1
❖国登録有形文化財
横浜3塔の紹介、 ジャックの塔(横浜市開港記念会館、大正6年築)、 クイーンの塔(横浜税関、昭和9年築)と続いて、最後はキングの塔こと神奈川県庁舎を取り上げようと思います。
シャープな感じな他の二棟と比較すと、とても重厚感漂うこの県庁舎。大正15年に公募がおこなわれ、当時東京市の技師を務めていた小尾嘉郎の当選案をもとに、県の建築課職員が実施設計に当たり、昭和3年に竣工したものであります。そう言えばこの県庁舎の斜め向かいにある開港記念会館も、懸賞付きの建築設計競技がおこなわれ、小尾の上司だった福田重義の案が当選していたりします。当時の東京市専属の建築家たちの、レベルの高さを思い知らされる話だと思います。
さて神奈川の県庁舎、その後の庁舎建築で大流行する帝冠様式のはしりとも言えるデザインが特徴。また東洋風なイメージとアールデコを掛け合わせたようなエキゾチックなデザインは、港町・横浜でとても際立った作品と言えるでしょう。