江戸東京たてもの園・旧三井八郎右衛門邸
2013年 06月 01日
◎設計:不詳
◎施工:不詳
◎竣工:昭和27(1952)年
◎構造:木造2階建て
◎所在地:東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)
◎旧所在地:東京都港区西麻布三丁目
このところ本ブログの方では、江戸東京たてもの園に移築された旧北尾次郎邸(江戸東京たてもの園ではデ・ラランデ邸という名称)ばかり紹介しています。たてもの園へは月に1~2度kペースで訪れていますが、時間に余裕があるなら、その都度他の建造物を見学していたりもします。そういう事で以前の訪問時撮影したのが、旧北尾次郎邸(デ・ラランデ邸)の向かいに建つこの和風邸宅です。三井財閥の11代当主・三井八郎右衛門邸の屋敷として、昭和27年に建てられたものです。
三井家の東京邸は戦災で焼失、三井家と縁の深い土地である麻布の笄町(現在の港区西麻布)に建てられたのがこの邸宅ですが、三井家の歴史と伝統を重んじたような重厚な作りになっています。但し昭和の作という事もあり、もの凄くモダンなキッチンルームや和室の全体的な構成などに洋風文化を十二分に吸収し、和風建築に適応した形跡が色濃く見れるのが、この屋敷最大の見どころと言えるでしょう。財閥解体後の作という事もあり、かなり質素な感じもしますが、三井家で長年培われてきた美的センスの良さが伺える素晴らしい作品だと私は考えます。