江戸東京たてもの園・旧万徳旅館
2012年 12月 15日
◎設計:不詳
◎施工:不詳
◎竣工:江戸期末~明治初期(1850~1860年代)
◎構造:木造2階建て
◎所在地:東京都小金井市桜町3-7-1・小金井公園内
◎旧所在地:東京都青梅市西分町
先月別ブログにおいて、江戸東京たてもの園に移築されている常盤台写真場と建築家・前川國男の自邸を紹介させていただきましたが、その時に撮影したのがこの万徳旅館です。江戸東京たてもの園の移築復原事業は暫くの間ストップしていましたが、近年になり三軒の歴史的建造物の復原が決定しまして、完成したのがこの万徳旅館という訳です。
移築前は東京都青梅市の青梅街道沿いに建っていたものだといいます。見た目は地味な感じもしますが、東京(江戸)と山梨(甲州)を結ぶ主要道であった青梅街道に建ち、長年行商人や御岳山詣での人々の宿となってきた貴重な建造物です。室内は一階天井の太い梁が、この建物の重厚さと歴史を物語ります。また室内の立ち入りは出来ませんが、2階の大部屋の客室など旅籠と言った感じの作りになっています。新しい移築建造物という割には注目度が低いのが残念ですが、昔日の生活を偲ぶことのできる意義ある移築物件だと私は思いました。
なおこのような昔旅籠だった建物を実際に味わいたいという方には、埼玉県秩父に現存する秩父館(ほっとすぽっと秩父館)へ訪問して頂くことをお勧めします。