旧山形県会議事堂〈山形県郷土館・文翔館〉
2011年 09月 09日
◎設計:田原新之助、中條精一郎(顧問)
◎施工:山形県
◎竣工:大正5(1916)年
◎構造:煉瓦造2階建て
◎所在地:山形県山形市旅籠町3-4
❖国指定重要文化財
先月に本プログでは紹介をさせていただきましたが、こちらでも今年の7月に訪れた山形市に残る近代建築を取り上げたいと思います。
まず最初は旧山形県庁舎の隣に建つ旧山形県議会議事堂です。こちらは明治44年の山形大火で先代の県議事堂が焼けたため、県庁舎と同時期に建てられたものです。建築計画に関しては地元山形出身の建築家・中條精一郎が顧問を務め、県庁舎建設のために招聘された建築家・田原新之助(1876~1916)が実施設計を担当しています。英国風ルネサンススタイルの県庁舎に合わせるかのように、この県議事堂もそれに連続したスタイルのデザインを採用。また県庁舎との連続性を配慮しつつも、外壁に花崗岩が貼られた県庁舎に対し、こちらは赤煉瓦を外壁に貼り、両者の差別化を図っているのもこの建物の見どころと言えるでしょう。小品な作品ではありますが設計者・田原新之助の腕が光る作品だと思います。
それと内部も見学したかったのですが、ちょうどこの晩におこなわれるコンサートのセッティング中との事で見学は出来ず。また機会があれば中を見てみたいものです。