東京清澄の旧東京市営店舗向住宅
2010年 04月 19日
◎設計:東京市
◎施工:不詳
◎竣工:昭和3(1928)年
◎構造:鉄筋コンクリート造2階建て
◎所在地:東京都江東区清澄3
先日別プログにて、昨年深川東京モダン館としてリニューアルオープンした旧東京市深川食堂(江東区、昭和7年築)を紹介させていただきました。
この旧東京市深川食堂は関東大震災後の復興事業の一環として建てられたものですが、この他にも江東区内には関東大震災後の復興事業の一環として建てられた興味深い建造物が現存しています。それが清澄公園の東側、清澄通り沿いに建つ旧東京市営店舗向住宅です。
一見すると、よく町中に建っていそうなちよっと古めの商店建築だと思われるかも知れませんが、その歴史はかなり古く昭和3年に建てられたもの。つまり今から82年前に竣工した町の生きる文化財とも言える存在な訳です。また関東大震災後の復興建築ということもあり、鉄筋コンクリートにて施工されています。
なお冒頭でご覧頂いた写真は北側から撮影したものですが、六軒ワンセットの商店群が清澄公園脇に5棟並んでいます。その長さは約200メートル。今回ご覧頂いている写真を撮影しながら、この前を往復しましたが、その長さはかなりのものでした。
清澄の旧東京市営店舗向住宅のような鉄筋コンクリート製の商店建築を連続して建てるというプロジェクトは、函館の銀座通りの防火建築帯(大正10年~12年)という前例はありましたが、より計画的に造られたのはこの清澄の鉄筋コンクリート商店群が初めての例だったのではないかと考えられます。
時代の変遷とともに外壁が改修されたり、屋上を増築したもの商店が殆どですが、建物の角には竣工当初からのアールデコ調の装飾も残されており、この建物が建てられた当時の煌びやかさが偲ばれます。ごく当たり前に日常の暮らしの中に生き続けている築82年のレトロ建築、もっと評価されていい筈です・・・・。
胸キュンしてしまいます。
このところ仕事が忙しく、こちらのコメント欄をきちんとチェックしておらず返信が遅くなってしまい、とても申し訳なく思っております。
先日のブラタモリはそんな調子ですので見逃しましたが、こちらの建物も紹介されていましたか。東京における震災復興の貴重な遺産ですので、これからも生き続けて欲しい町の生きる文化財だと思います。
それとリンクの件、有難うございました。一月以上更新していませんが、こちらもぼちぼちと再開しようと思います。このたびはコメント有難うございました。